人が好き、でも集団は苦手という、自称優しい孤独人間の眼差し、想い、喜怒哀楽。


by ジョバンニ
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何も救えていない

夜更けのこと。
ジジジ…バタバタバタ!

蝉だなこれは。
ガラス窓と網戸の間にでも引っかかったのかな。

はたして音のする方に行くと、蝉は軒下の蜘蛛の巣に
絡まっているのだった。

蝉は、糸に絡まった羽根と胴体をめちゃくちゃ震わせることで、
近づこうとする蜘蛛を必死に追い払っていた。

僕は表に出ると蝉をむんずと掴んで、
蜘蛛の巣から解き放してやった。
けれど蝉は地面をバタバタと動き回るだけ。
糸のくっついた蝉の羽根は、もはや宙を
飛べなくなっていた。
あれでは、ほどなく命尽きてしまうだろう。

一方、蜘蛛の巣に目をやれば、僕にこわされた箇所を
巣の主がせっせと繕っているのだった。

はて…、
僕がやったことはいったい何だったのか。
かけた憐みは誰のためになったのだろうか。


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by bakery-sunafukin | 2016-08-16 12:39